#013「食料品の消費税減税を進めるのか自民党」

前提として共有させていただきたいが、私は自民党よりも参政党に考えが近いため、内容が参政党寄りになっていることを前もって承知願いたい。

国民会議(社会保障国民会議)ってなんだったの?

超党派で「食料品消費税ゼロ」や「給付付き税額控除」に関して協議するという名目で設置された協議体であったが、腑に落ちない点が多い。

まず、参加を呼び掛ける政党の条件だが、当初は「食料品消費税ゼロ」や「給付付き税額控除」に賛成する政党に限っており、参政党や共産党は「消費税廃止が公約である」という理由から参加を拒まれている。参政党に限っては傍聴のみでいいから参加させてほしいという希望したが、それでも断られていた。一方、チームみらいはそもそも減税に対して反対という立場であったが国民会議に声が掛かり、参加している。

しばらく経って条件が「消費税が社会保障の貴重な財源であるとの認識を有し、給付付き税額控除の実現に取り組む政党」に変わっており、ここ最近ではコバホークこと自民党政調会長 の小林鷹之 (衆議院千葉2区)が「給付付き税額控除の制度導入に関心がある政党」と言っているそうである。であれば、より多くの政党が参加してたと思うが、何がしたいのか。。。これでは結論ありきで特定の政党だけを集めているただのアリバイ作りだ。と野党から指摘されても仕方がないだろう。

何の根拠に基づいた協議体??

次に、この協議体になんの法的根拠もない点である。「このハゲェー」こと参政党政調会長補佐 豊田真由子 (衆議院 比例北関東ブロック)  が予算委員会が次の様に指摘した。この会議には行政府である国と立法府である国会議員が入っており、どちらの管轄の協議体であるのか決まっていない。過去には戦後直後に設置された社会保障に関する協議体が法根拠がないこと、三権分立に違反しているという理由でGHQから指摘が入り、法的根拠を作ったという事実もある(ちなみにその際は共産党も協議体に参加していた)。なるほど、確かに今回の件があくまでも国民の負担を下げるという名目で設置された協議体であるためそれほど問題視はされていないが、これが直接人命にかかわるような案件であり、賛成を見据えた法案を内閣、行政か決めないまま政党間で協議を進め、いざ本国会や委員会となった際に「十分議論はした」という理由で、強硬採決することになれば、暴動ものとなったことだろう。

権力の暴走を防ぐための三権分立や、憲法と法律であるため、「より良い国を作る」という先人の想いを踏みにじらないためにも、適切なプロセスを踏まなければならないと思うし、私も豊田氏の指摘は至極全うなものであると考える。

後は小さなことではあるが、名前に国民という言葉を入れることにより、国民の総意で決めました感を演出しようとしているのも気に入らない。(ぼそっ)

と、本件に入る前に、私がなぜ自民党案のみならず、そもそも国民会議に賛成できない理由を述べさせていただきたい。

消費税とは

詳細は#004_消費税の真実で解説しているため、ここでは簡易的な説明しかしないが、消費税は税金を支払う人と収める人が同じである直接税であり、第二法人税である。

現在教科書などに載っている、消費税は間接税(税金を支払う人と収める人が別)の代表である。というのは、大間違いである。

というのも、消費税法には消費者という単語は一つも出てこず、あくまで企業間の売買に課される税金であるという事が記載されているだけなのである。

わかりやすくするため飲食料品の税率を10%とすると、実際納付する消費税の計算式は基本納付する消費税額(売り上げの10/110)から仕入れ税額控除分(仕入れの10/110)を差し引いたものとなる。

上記からもわかるように、法律にも計算式にも「消費者から受け取った」といった類いの言葉は出てこない。

これは「売り上げから仕入れを引いた金額の10/110をもってこい」と言われているのと変わりない。

伝わるだろうか? 我々消費者からみると

100円の水と10円の消費税で合計110円なのではない。そもそも110円の水なのです。

なぜ飲食料品のみの消費税減税が愚策か

そしてここからが大事なのだが、計算式で出てきた仕入れ税額控除というのは、仕入れ金額の中には仕入れ元が払うべき消費税が含まれているため、その分は支払う消費税額分から差し引いてよいというのが建前であるため、今回の食料品のみの消費税額減税が成立してしまうと、食べ物と飲み食いする場所を提供するサービス業(いわゆる一般的な飲食店)は、仕入れ元が払うべき消費税額分(仕入れの1/101)しか税額控除できなくなるため、納付する消費税額が大きくなり甚大な被害を被ることとなる。

仕入れ88円、売り上げ110円として

今までは 110の10/110から88の10/110を差し引いた2円が納付額だったのに対し、

食料品のみ減税した後は 110の10/110から88の1/101(= 0.87)を差し引いた9.13円を納付が必要となる。※1円未満は切り捨てとか無粋な指摘はやめて頂きたい。

消費税分が価格転嫁されているかじゃない

もう一つ大事な点が、上でも説明している通り消費税額の計算で使用されるのはあくまで売り上げ金額であるため、そこに消費税額分が転嫁されているかは問題ではない。言い換えると、食料品の消費税率が1%になったからと言って、食料品販売会社は7%分の減税分値段を下げる必要などないのだ。デフレが続き、供給力を棄損し続け、とうとう需要が供給量を下回ることでインフレに転じてしまったが、デフレマインドのためギリギリまで値下げしていた企業であればなおさらである。

他に、食料品会社が仕入れ税額控除が出来ない分が還付金として受け取れる点がいい点で挙げられそうだが、その分飲食店が苦しんでいるため、大きく言えば業界を分断への圧力となる。

更に、これらを知らない人が今回の「減税」で、景気が思ったほどよくならない事や、思ったほど価格が下がらないことにより、「減税」=「無意味」という印象がついてしまうことも懸念の一つだ。

政府は与党案を物価高対策として考えているようだが、消費税は第二法人税と言われているとおり、企業の体力を奪うものであり、消費税額分を価格に転嫁するかどうかも事業者次第なのである(世間の目があるため少しは値下げすると思うが)。

即ち、減税して見込めるのは企業利益の増加であり、それは企業による市場価格の低下というより企業の賃上げのための土壌作りといった方が適切だと言える。

以上の理由から、私はそもっそもこの食料品の消費税率減税を全く支持していない。むしろ大悪手と思っている

自民党内やでの反応

話題を戻すが、この問題だらけの「国民会議」にて、7/29に中間とりまとめが合意されたが、与党案である食料品のみ消費税率1%減税と中低所得者への現金給付で実質0%を目指す案は、あくまで所得連動給付の本格導入までの「つなぎ」であるため、2年後には必ず税率を元に戻すことを大前提としているため、野党のみならず、一部与党内からも反発を招いている。

これまで税制を決定する機関法案の決議緊縮財政を国民の目に触れず内内で決めていた自民党税調の非公式幹部会合「インナー(Inner=外には出ていない内側、すなわち世間には出ないというニュアンス)」のメンバーである小渕優子 衆議院議員(群馬5区)が「インナー」から正式に抜けたというニュースが入った。脱退理由として「1%案に懸念があり、まとめ役として役割を果たせないと思った」と述べているとのことだ。

他にはラスボスこと宮沢洋一 参議院議員(広島県選挙区)、稲田朋美 衆議院員(福井県第1区)、西田昌司 参議院議員(京都府選挙区)という複数当選組も多く反対の声を挙げている。

「皇室典範改正」や、連立している維新に気を遣ったが故の「副首都法案」、「議員定数削減」などの政策を急いだ姿勢に、国民の生活苦のを無視しているように捉えられたのか、内閣支持率は60%を切っている状況だ。

8/5には自民党本部での臨時総務会で、反対派不在(恐らく意図的な欠席)の中、食料品減税の基本方針案を全会一致で承知したとのことですが、政策が上手くいかなかった、もしくはプロパガンダにより上手くいかなかったと国民が認識させられ、高市首相のみ責任を取らされ、財政緊縮派が再び隆盛すること危惧している。

まとめ

ほとんど、なぜ飲食料品だけではダメかという解説となってしまったが、選挙の際には減税だの積極財政だのと声高に叫んでいた与野党の方針には疑問を呈せざるを得ない。当人たちににしてみれば、あの時はこう言っていて、今はこうしているなどと言い訳を並べて逃げるであろうが、国民が一番気にしていることは生活なのである。

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